英語。よくネットでもTOEICで〜点取る方法とか、勉強法などの記事を見かける。英語を話していると、「どこで勉強したの?」と聞かれることも多くて、一度自分なりの方法や注意点をまとめておきたかった。シェアすることでヒントになれたらと思って書いてみる。
最初に断わっておくと、留学などで海外で暮らした経験はない。だけど、そう言うと英語圏の人にも驚かれるし、海外営業の仕事の経験もあるので、仕事で英語を使えるというレベルにはあると思ってる。もちろん、第一言語として完璧な英語を話せるわけじゃないし、わからないスラングや単語などもたくさんあるし、細かい文法などは判断に困ることも多い。それでも仕事の場面での会話やメールでのやり取りでコミュニケーションが図れて、英語を話せると自信を持って言える、そういったレベル。
ちなみに今のようにインターネットが身近になったのは社会人になってしばらくしてからという世代。昨今は子供の頃から英語教育も盛んで、比較にならないぐらい教育環境も充実しているし、ツールもいっぱいあるだろうけど、小さい頃からの事も少し振り返って書いておきたい。
小学校時代
低学年の頃、母親の知り合いで近所の英語の得意なお母さんが時間のある時に家で開いている英語教室に通ってた。もはや記憶も定かじゃないけど、ABCとか、簡単な単語とか、そういうレベルだったように思う。今でもなぜか鮮明に記憶しているのは、体の絵を見ながら「胸」を英語で何て言うか聞かれて、OPPAI!と元気良く答えてしまったことだけ(笑)。小さい頃とはいえ、今でも恥ずかしい思い出…。
それからその頃「ズームイン朝」っていう日本テレビの朝の番組でウィッキーさんのワンポイント英会話っていうコーナーがあって、街を行く人にインタビューしながら簡単なワンフレーズを紹介していた。これがなぜか好きで学校に行く前によく見ていた。これをまとめた本も母親が買っていて、よく読んでいた記憶がある。内容は全く覚えてないけど…。
今思えばこれのおかげで中学校から始まった英語の授業への最初の抵抗がずいぶん低かった気がするけど、かと言ってもちろんこの時点で英語を話せたわけじゃなかった。
中学校~高校時代
この間は完全に学校の授業と受験勉強のみ。
大学時代
一般教育の英語の授業のみ。ただ英語の持っているリズムが好きで、何かのフレーズを覚えたり、洋楽の歌詞を調べてみたり、英語をよく口に出してもいた。これの意味があったとすると、大学時代に英語というものを意識していたことだと思う。旅行でアメリカの西海岸を一人で旅した時に、ちょっとした英語が通じて嬉しくなったのを今でも覚えてる。
社会人時代
会社に入ってすぐにTOEICを受けさせられた…(汗)。初めてのテストでTOEICが何たるかもよく分からずに受けた結果、スコアは確か550点だった。その後に会社のお金で「ヒアリング・マラソン」を受講することになった。ヒアリング・マラソンというのは翻訳サイトや英語教材で有名なアルクが提供している通信教材で、その名の通り、毎月送られてくるリスニング教材をひたすら聴き続けるもの。最後にテストが入っていて、毎月提出する。
ネイティブだっていつも本や映画のような綺麗な英語を話してるわけじゃない
伝わらないことを恐れないこと
何かを言った後に相手が黙っていると、自分の英語がまずくて伝わっていないと考えてしまってパニックになってる人を見かけるけど、そんな必要はない。相手は聴いていて単に次の言葉を待っているだけだ。I mean(つまり)とかで言葉を繋いで、どんどん説明していけば良いだけ。一文で綺麗に伝えられることの方が珍しい。特に英語というのはそうやって言葉をお互いに重ねていく文化だと思う。
TOEIC
TOEICのテストっていうのは受験と近いものがあると思う。慣れの問題で、ある程度までは回数を受けてテストの形式に慣れていけば点数は上がっていく。スコアを上げることだけが目的であれば、専門の問題集をやり込めば良いと思う。初めて受けた時は時間配分も分からずに配点の高い後半の長文問題の途中で終わってしまった。TOEICのスコアで気をつけなければならないのは「話せる人はスコアも取れるけれど、スコアが高い人が必ずしも話せるわけではない」ということだ。日米会話学院に通っていた頃、TOEIC900点も取っているのに話すことができないという人がいたのには驚いた。
英語を英語として理解するということ
これはとても感覚的で自分でも実際にどうなっているのかは分からないのだけど、最初は相手の喋っている英語を聞き取ったら、頭の中でそれを日本語に訳して、今度は言いたいことを日本語で思い浮かべて、それを頭の中で英訳して、口に出すっていう作業をしていると思う。それを英語→英語のまま理解して、英語で言いたいことを考えて、英語を喋る。たぶんこの感覚に近づくことがゴールだと思う。例えば「apple」だったら、リンゴという果物は「apple」という名称、赤い状態は「red」。とにかく英語で考えることを意識してみると何となく変わってくると思う。
わかった気にならないこと
よくいるのが、「言っていることは分かるんだけどー…」という人。あれほど信用できないことはない。この状態はしゃべることができないだけではなくて、ヒアリングもできていないことが多い。特に仕事で使うには危険すぎると思う。おそらく聞き取れた単語から、なんとなく意味を推測しているという状態。会議に同席した人に後から確認してみると、まるっきり正反対の意味と受け取っているなんてこともあった。仕事の場面ではそれが命取りになることもあるだろう。
発音
発音はすごい大事。通じるものも通じない。繰り返し繰り返し口に出して舌に覚えさせる。基本のパターンを覚えてしまえば、あとはどんな単語でも怖れることはない。舌の動きに気を取られるあまり、何でもかんでも巻き舌っぽく、ねちっこい話し方になっちゃう人が多いけど、言葉なんだからもっと気楽に自然に喋ったら良いと思う。また単語だけではなくて、英語には独特のリズムや抑揚がある。これが掴めるとグッと英語らしくなる。スピーチやインタビューなどの英語を繰り返し聞いたり、映画やドラマを見ているとだんだんわかってくると思う。
例えばdon’tなどの省略形の発音にも気を付けたい。ここを間違えると意味が180度変わってしまう。ドンとだけ言っている人が結構多い。ドンではなく、ドント。トは小さくても略しちゃダメ。難しければdo notと分けて言った方が間違いがない。
文法
学校でも習う例のアレ。「主語S + 動詞V 」とか。ゲンナリする人も多いだろうけど、これもやっぱり大事。勉強をしていく上での基礎になる。あと必ずぶつかるのが冠詞の問題。a なのか the なのか、どっちなんだい、ってヤツ。これはもう細かく磨いていくしかない。マーク・ピーターセン氏の「日本人の英語」という本は本当にオススメで、ネイティブではない人間にとって判断が難しい疑問に答えてくれる良書。まさに目からウロコが落ちるとはこの本のこと。
ある程度まで話せるようになった後の勉強
仕事で使う英語であっても、その業界で使う専門用語は別として、高校ぐらいの英単語量でコミュニケーションすることはできる。日本語に置き換えてみると分かりやすいけど、何かを伝える時に難しい単語を使わずともいくらでも簡単な単語で言い換えることは出来る。だけど、そこから先に進むにはやはりある程度の単語量は必要。オススメはスマートフォンにアプリを入れておいて、気になった単語があればすぐに調べる方法。
簡単に調べるならGoogleの翻訳アプリでも良いけど、用例や意味がやや貧弱なので、アルクのアプリはオススメ。
あと仕事で英語を使うなら、やっぱりビジネス用語も出てくる。英語独特の言い回しもあって面白い。この口語辞典は辞書というよりも読み物としてもオススメ。
あと最近はもっぱらHuluで海外ドラマを見まくっている。音声は英語、字幕は日本語。結構学校でも習うような普通の英語を喋っていることに気付くはず。
英語の会話スタイル
前述のように英語、もしくは英語圏の文化というのは言葉を重ねていくものだと思っている。話したことがある人なら経験があると思うけど、一つの質問に対して色々と答えてくれる。これで圧倒されてビビっちゃう人もいるけれど(笑)。対して、日本の英語は教科書でもそうだけど、大抵は返事がYesとNoのぶっきらぼうなものばかり。英語圏の人の会話を聴いていると分かるけど、そこからよく言葉を繋いでいくのだ。
仕事で使う英語の注意点
よく英語には尊敬語は無くて上下関係も無いと考えている人もいるけれど、特に仕事の場面ではそれは間違いだと思う。尊敬語は無いかもしれないけど、丁寧語、もしくは丁寧な表現というものが存在する。言葉というか文化として、むしろ相手の立場や仕事を尊重する気持ちは日本語以上に求められるかもしれない。
例えば、よくあるのは助動詞を過去形にするというものがある。
I will 〜を I would 〜とすると「〜いたします」という雰囲気が出てくる。Can you 〜 ? と Could you 〜 ? も同様だ。「〜していただけますか?」と、より丁寧な表現となる。
他にも言い回しで相手の自尊心を傷つけない表現が求められる。こういった表現は日本語よりも相手への気遣いが重要になる。
例えば相手に支払いを催促する時に、
You have not made the payment. とか、We have not received your payment.
と直接的にやってしまうと、特に英語圏の文化では非常に強い表現となってしまう。あえて強く言いたい場合は別として、日本語に訳すと「あんた支払いしてないだろ!」ぐらいの勢いになってしまって、相手の自尊心を傷つけてしまう。この場合は自分を主語にして、
We do not appear to have received your payment.
もしくは
It appears that we have not received your payment.
などとやると、「お支払いをまだ受け取っていないようなのですが…」となる。
他にも何かをお願いする時などは、
I am wondering if you can 〜
などとやると、「〜していただけたら幸いです」ぐらいの丁寧な依頼の表現となる。
第二言語同士の英語
仕事で英語が必要な場面は何も英語圏の人が相手とは限らない。お互いに第二言語同士という場面も多い。以前にとあるアメリカのメーカーの海外担当と話した時、彼も人によっては何を言っているかわからないことがあると言っていた(笑)。慣れが必要とのこと。一つ気付いたのは、人もしくは国によって、特有のよく使う言い回しや単語があるということ。おそらく国によって英語教育の方法があるからだろうと想像してる。それさえ最初に気付いてしまえば、だいぶ理解が変わってくる。
またよく言われているのが、ヨーロッパでは北に行くほど英語が上手くなるということ。自国の言語が他国でどのくらい通じるかによって必要性が変わってくるからと理由を想像していたけど、じゃあ日本はどーなのよ、と。めっちゃ、必要じゃん。やっぱり島国だからかな?それが今や急速に状況が変わって、世界に飛び出していかなければならない時代に来てる。
終わりに
色々と今までに自分が勉強してきた中で気付いた事を書き出してみたけれど、ポイントは、
- 量を聞くこと
- とにかく口に出してみること
そんなこと当たり前だと思われるかもしれないけど、本当にこの基本的なことの繰り返し。おそらくこれは生まれてきてから日本語を覚えた方法と一緒だと思う。だからやれば誰だって話せるようになる。
また言葉というのは文化そのもの。特に仕事で英語を話す時には文化も理解しなければと思う。当然、人との距離感だったり、マナーといったことも含まれる。英語を喋っているのに、マナーが備わっていなければ、仕事では損をすることも多いだろう。日本というのは想像以上に公共のマナーが悪いというのは覚えておくべき。文化の違いとは別の話で、気持ちの良い出会いを心掛けたい。
これから英語を学んでいく方に少しでもヒントになるようなことがあったら嬉しい。