イタリア探訪 人類の歴史を辿る旅 〜フィレンツェ編〜



 

イタリアにはこれまで仕事では何回か行ったことがあったのだけど、ついぞ首都たるローマには行ったことがなかった。いつか訪れたいと思っていた地、ローマ。古代ローマから中世まで、現代にいたる西洋文化の歴史に触れる旅。“omnes viae Romam ducunt”(全ての道はローマに通ず)。時は来た。「そうだローマ、行こう」。

 
 

 

冒頭からローマ、ローマうるさいな(笑)。

 
 

 

ローマにはフライフィッシングを通じて知り合った15年来の友人がいて、昔から家に泊まっていけと言ってくれていたのだった。旅の間ずっとお世話になりっぱなしもアレなので、まずフィレンツェに寄ってからローマに入る旅程とした。フィレンツェといえばメディチ家、ルネサンス。往時の趣きを今も色濃く残す街。楽しみが増えた。

 
 

 

フィレンツェはイタリアのトスカーナ州都で、金融業で財をなしたメディチ家の統治の元、15世紀にはルネサンスの中心として栄華を極めた。英語ではフローレンス(Florence)と呼ばれ、女神フローラに由来する。もう名前からして素敵(笑)。市街地中心部はフィレンツェ歴史地区として世界遺産に登録されている。

 
 

フィレンツェといえば、まずはサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。そのドゥオーモ(大聖堂)は街のシンボル的な存在で、想像の2倍は大きい。1296年から実に140年を掛けて建設されたというのも納得。

 

 

 

 

鐘楼と聖堂の両方の上部まで階段で登ることができる。狭い急な階段を上って行くので、息が苦しく下手な登山よりキツイ(笑)。

 

 



途中で
大聖堂のドーム部分にあるヴァザーリの天井画「最後の審判」を間近にみることができる。それぞれの人物は実物の人より大きいと言えば、そのスケールが伝わるだろうか。

 

 

 
 

こちらは鐘楼から。さすがに連続2本の登りはキツイけど、頂上に出るとこの景色のご褒美!

 
 
 

 

 
 

ヴェッキオ宮殿へ。現在もフィレンツェの市庁舎として使われてるこの宮殿の五百人大広間には改築を担当したジョルジョ・ヴァザーリの壁画が飾られているが、その裏にかつての壁があって、かのレオナルド・ダ・ヴィンチの幻の壁画「アンギアーリの戦い」がそこに残されているという。

 

 
 

表のヴァザーリの絵の中の小さい旗に“Cerca trova”(探せ、さすれば見つかる)と書いてある。うーん、ロマン。

 

 

 

これはフィレンツェにある1221年から今に続く世界最古の薬局、サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局。「アックア・デッラ・レジーナ」(王妃の水)と呼ばれるオーデコロンの起源といわれているものや、現在では石鹸などが有名。もっとも石鹸は40ユーロぐらいする店構えに恥じないお値段(汗)。

 

 

 
 

フィレンツェでの最大の楽しみはやはりウフィツィ美術館。歴代のメディチ家当主の膨大なコレクションが展示されている。入館には長蛇の列が予想されるため、日本からネットで予約しておいたのだけど…。

 

 
 

 

当日の午後の予約の前にカフェでお茶をしていると急に雲行きが怪しくなってきた。あっと言う間に真っ暗になり、激しい雨が降り出した。というより嵐の来襲!外で食事をしていた全員で急いでお店の中に避難。

 

 

これまで経験した雨の中でも一番というぐらいの激しさで、ヒョウも叩きつけていた。9月なんですけど…。

 

 


20分ぐらい避難していただろうか。もとの青空が戻ってきたので、予約の時間が迫っていたウフィツィ美術館へと向かった。あちこちに雹が雪のように積もってる!この日のイタリア全国のニュースにもなっていた。

 

 

美術館に着いてカウンターに行ってみると、様子がおかしい。海外だとなぜだかカウンターでやたら時間の掛かっている人がいることが多いけど(笑)、全員がなんか話してる。いざ自分の順番が来ると悲しいお告げが…。「今日はもうおしまい!」。いやいや、予約したし、お金も払ってあるし、明日ローマに旅立つんですけどー、と言っても、先程の嵐の影響で閉めるらしく、もうムリ。

 
 

 

ここで頭を切り替え、朝は何時からやっているのか聞くと、8時15分からと。ローマへの電車は11時発。いけるか?なんとか翌日の朝一番の予約をタイトなスケジュールにねじ込んでもらった(涙)。

 

 
 

 

疲れたらジェラート!街の至る所にお店がある。たいていはお金を払った後にカップかコーンかを選んで、次に好きな味を2、3種類選んで入れてもらうシステム。イタリア滞在中はほぼ毎日食す。

 

 

 
 

フィレンツェといえば、トスカーナ料理。といえば何をおいても地元のキアーナ牛のTボーンステーキ「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」(BISTECCA ALLA FIORENTINA)。塩と胡椒だけの味付けで、レアで食べるのが基本。和牛の様な柔らかさをウリにしてはいないが、とにかく美味。通常のレストランでは800グラム以上からのオーダーとなっていることが多いので少食の自分としては二の足を踏んでいたけど、少量でもオーダーできるお店を探して正解。他にもポルチーニ茸の料理や最後にはデザートも堪能することができて大満足。

 

 
 

翌朝は早起きして開館と同時にウフィツィ美術館にイン!

 

 
 

ルネサンスとはギリシア・ローマ古典時代の文化の復興を意味していて、このメディチ家のコレクションでも積極的に収集していた形跡が見て取れ、当然この時代の文化、芸術に大きな影響が出ている。

 
 

 

いきなり現れる教科書の世界。ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」(1483)。古くからのAdobeのイラストレーター使いにはお馴染みの絵(笑)。女神の現れる神話の世界を描くルネサンス的作品。

 

 
 

同じくボッティチェリの「春」(プリマヴェーラ )(1482)。人物はほぼ等身大の大きな作品。

 

 

 
 

レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」(1473)。後ろの風景が薄い色彩でぼやけていて奥行きを出す空気遠近法と呼ばれる手法が使われている。かの天才が描いたものが時を経て自分の目の前にあることに驚愕する。

 

 

 
 

ミケランジェロの「聖家族」(1507)。現存するミケランジェロのパネル画のわずか3枚のうちの1つ。額装も当時のまま!

 

 

 
 

ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」(1538)。ローマ神話の世界の女神を描いたと言われ、賛否両論ある非常に官能的な作品。

 
 
 
 

この他にもウフィツィ美術館では誰でも一度は見たことがる作品が目白押し。いやー、とにかく入れて良かった。この機会を逃したら果たして生きているうちに再び訪れる機会があるのだろうか。

 
 

 

 

フィレンツェには正味3日間滞在したけど、この他にも街中いたるところに歴史的な見どころが存在していて、様々に楽しんだ。

 

そして思い残すことなく、いよいよローマへ移動する。

 
その1. イタリア探訪 人類の歴史を辿る旅 〜フィレンツェ編〜
その2. イタリア探訪 人類の歴史を辿る旅 〜ローマ編〜
その3. イタリア探訪 人類の歴史を辿る旅 〜バチカン編〜

 

 



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