フライフィッシングにサコッシュを



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フィッシングベストを着なくなってからずいぶん久しい。数年前からもっとシンプルなスタイルを模索し続けて、今は釣りに必要な道具はサコッシュに詰めて、あとの道具はバックパックというスタイルに落ち着いている。

 

手のひらに太陽を。フライフィッシングにサコッシュを。

 

フライフィッシングでは、もともとイギリスなどではショルダーバッグを使うスタイルが古くからある。バブアーやブレイディといった老舗のバッグを使って、ブリティッシュトラディションを楽しむスタイル。今はバッグも様々な釣りやアウトドアブランドのものを使う人も出てきた。

 

BradyBags

 

 

サコッシュ(Sacoche)というのはフランス語で袋とかの意味で、こうしてアウトドアで注目されるようになってきたのはヨーロッパの自転車競技などで選手に補給食を渡す時の袋にヒントを得ていたように思う。英語だとミュゼットバッグ(musette bag)で、兵士が持っている袋。

 

musettebag

 

 

まあ、昔からウェストバッグなど、バックパックとは別に“小バッグ(コバッグ)”を持つ文化はあったわけで。出し入れする機会が多いものは背負ってしまうよりは前や横にあった方が便利に決まってる。最初はそれまで使っていたフィッシングベストから一旦道具を全て出してみて、そこから試行錯誤を重ねながら取捨選択をしていった。

 

サコッシュも自転車用のものから、mont-bellのトラベル用のもの、ガレージメーカーのwanderlust equipmentなどなど色々と試してきたけど、どれも自分の釣りには合わず、今はフォックスファイヤーのminimalistサコッシュを使っている。

 

 

 

釣りとウルトラライト

アウトドアの世界で言うところのウルトラライト・スタイルというとスパルタンなイメージを持ってしまうかもしれないけど、フライフィッシングは魚という生き物が相手なだけに、ある程度装備に“幅”を持たせておかないと全く手も足も出なくなってしまうことがある。釣りは行ってみないと分からない。単純に軽くするということが目的になってしまうと、なにより遊びとして面白くない。フィッシングベストというのはその対極にある究極のスタイルだと思う。あれだけポケットが多いのにはちゃんと理由がある。なんでも出てくるドラえもんのポケット。

 

釣りの場合は素材や作りにも気を付けたい。トレイルを歩くだけではないので引き裂きのリスクが高く、モノの出し入れも多くて扱いが雑になりがち。軽い生地は今は色々とあるけれど、耐久性とトレードオフの場合が多いもの。縫製や構造もよく考慮して、生地はある程度の厚みのあるリップストップのナイロンが合っていると思う。テラノバのバックパックももっと軽いものがあるけれど、あえてスタンダードな方をチョイス。

 

 

道具のセレクト

 これが山岳渓流に行く時の中身。雑誌風に。

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フライボックスは4つ。ハッチマッチ用、釣り上がり用、大型フライ用、ミッジ用。どれも薄くて軽いものをセレクト。だいぶ整理したけど、まだフライボックスがしっくりこないので今後の課題。

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これは自分にとって山岳渓流の三種の神器。小型のライト、ホイッスル、マルチツール。

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 ライトはバックパックにヘッドランプも持っているけど、基本的にこの手のものは急に電池が切れたり、壊れたりするのでバックアップとしてぶら下げている。これは指先ぐらいの大きさなのに明るくて、夕まずめぐらいならこれだけで戻ってこれるぐらい明るい。

 

 

 ホイッスルは山岳渓流なら必携だと思う。実際に川に立ってみると、川の音にかき消されて声がほとんど届かない。遠くにいる仲間を呼ぶ時、そしてケガをして動けなくなった時、この笛が助けてくれるかもしれない。ちなみに使っているテラノバのバックパックの胸のところのバックルはホイッスルにもなっているので、バックアップとしても安心。

 

 

 マルチツールは小型のものでも持っていると安心。ナイフ、ハサミ、とげ抜き、etc…。たいていはナイフが付いているので、ラインカッターを失くした時のバックアップとしても使える。


 

 

 

熊鈴。このタイプは使わない時は写真のようにベルクロを差し込んでサイレントに出来るのが便利。音がうるさいからと外してしまって、忘れることも少なくなる。

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サコッシュの前面に付けているのが、TMCのフライピット。使ったフライを乾かしておくフライパッチ的な使い方だけど、フライボックスとして収納もできるので、これをもうちょっとうまく組み合わせるとフライボックスが一つ減らせるかもしれない。これも今後の課題。

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ティペットは5X、6X、7Xの3サイズ。スプールが連結できるので、ボールチェーンでぶら下げている。糸を引っ張ればそのままクルクルっと引き出せる。

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 リーダーファイル。リーダーとインディケーターをまとめておきたいだけなので、これもボールチェーンとかでも良いかも。

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ちなみにボールチェーンはこのスタイルに何かと便利なので、まとめ買いがおすすめ。

 

 

ラインクリッパーとネイルノットツール。釣ってる時にラインが絡んだりするので、サコッシュを掛けてる肩の左右によって付ける場所を考えたい。ストラップのもっと上の方に付けておいても良いかもしれない。

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フライドレッシング類。用途がそれぞれ違うので、組み合わせて全てをカバーできるようにしておくと対応の範囲が広がる。

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フォーセップ。最初の写真でも分かるけど、珍しい軽量小型タイプなので便利。渓流魚には十分なサイズ。

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これは釣りならではの装備。オモリ。文字通り重い。アンチ・ウルトラライト。

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今シーズンもいよいよスタート。楽しみながらもう少しこのスタイルを考えてみたい。

 

 

 



2 thoughts to “フライフィッシングにサコッシュを”

  1. いいですね、サコッシュ
    私もフライフィッシングの道具のシンプル化を考えていまして、
    こちらのHPにたどり着きました。
    サコッシュ利用してみたいと思っていますが、
    ランディングネットはどうされてますか?
    なしですか?

    1. Keytyさん、コメントありがとうございます。ネットは持たないこともありますが、持つ時はネットのマグネットクリップをサコッシュのストラップの首の所に付けてます。クリップはストラップに押されているので意外にズレません。固定するなら細引きか何かで結んじゃっても良いかもしれません。ご参考になれば良いのですが。

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